働き方が変化し、コロナ禍によりテレワークが一気に広がった日本。そのなかで、時間や場所に縛られない自由な働き方をする「ノマドワーカー」が注目されています。
「ノマドワーカー」とは何者なのか、どのような仕事をしているのか、必要なスキルは何かなどについて、詳しく解説します。
ノマドワーカーとは?
ノマドワーカーとは、場所や時間にとらわれずに働いている人々のことを指します。ノマド(nomad)とはフランス語で「遊牧民」を意味し、これが転じて「ノマドワーカー」という言葉が生まれたようです。
ノマドワーカーに似た言葉に「フリーランス」があります。フリーランスは特定の企業に属さずに個人のスキルで働く個人事業主という「業務形態」であるのに対し、ノマドワーカーは、時間や場所に縛られずに働く「ワークスタイル」を指します。
今、日本では、政府の働き方改革により、働き方に自由度が増し、IT環境が整備されたことで、インターネットさえあれば、いつでもどこでも仕事ができるようになりました。その影響もあり、ノマドワーカーは増えています。
ノマドワーカーは場所や時間に縛られないため、「早朝に働いて、午後は好きなことをして過ごす」「夜遅くまで仕事をして、朝はゆっくりする」など、自分に合ったライフスタイルに合わせて仕事をしやすく、仕事場所も自宅、カフェ、コワーキングスペース、旅先など自分の好きなところを選べます。
旅系YouTuber、Podキャスター、ソーシャルメディアの運営、フードブロガー、ウェブデザイナー、プログラマーなど、ITリテラシーを活用して、世界を旅しながら仕事をし、必要なときに日本に帰って仕事をする「デジタルノマド」も増えています。
ノマドワーカーに適した職種は?
ノマドワーカーは、日本でも海外でも自由に働けるため、パソコンやスマートフォンさえあれば、ある程度、仕事が完結する職種が適しています。具体的には次のようなものが挙げられます。
- ライター/編集者
- グラフィックデザイナー
- イラストレーター
- Web デザイナー
- UI/UXデザイナー
- 映像制作/動画編集
- ナレーター
- 開発エンジニア
- YouTuber
- ブロガー
- 翻訳者
- マーケター
- コンサルタント
- オンライン講師
- オンラインコーチ・カウンセラー
- オンライン ジムトレーナー・インストラクターなど
ノマドワーカーのメリットは、自分のペースで好きな場所で働け、煩わしい人間関係に振り回されずに働けるところ。興味のある分野や持っているスキルを活かせる仕事であれば、ノマドワーカーとして活用できる可能性が高くなります。まずは自分のスキルを洗い出し、どのような職種が向いているか考えることから始めるとよいでしょう。
ノマドワーカーとして、必要となるスキルは?
ノマドワーカーになれば、自由度が高く、充実した働き方が実現するかもしれません。
そのためには次のようなスキルが必要になります。
自己管理スキル
ノマドワーカーは、自宅やカフェ、コワーキングスペース、旅先など、あらゆる場所で仕事をするため、プライベートとの線引きが難しくなり生産性が低下するリスクがあります。プライベートと仕事のバランスを取りつつ、時間を管理し、集中して仕事を進める、自己管理能力が問われるのです。
自主制
ノマドワーカーは、1日の過ごし方を自分で考え、コントロールしなければなりません。自分に合った働き方になっているか定期的に確認し、無理があれば改善が必要な場合もあるでしょう。規則正しい生活のために、ルーティーンも重要ですが、状況に応じて変化する、柔軟性も求められます。
タイムマネジメントスキル
組織にしばられず、自由に働けるからこそ、限られた時間をいかに有効に使うかが重要になります。働きすぎて身体を壊さないように、休憩時間も踏まえて計画を立て、時間の使い方を見直すことで、生産性向上を目指せます。
リサーチスキル
ノマドワーカーは分からないことがあれば、自分で調べて情報を収集する力が不可欠です。調べた情報をスピーディに精査する情報処理能力が高ければ、仕事が効率よく進むでしょう。仕事のスピードが上がるので、クライアントから信頼も得やすくなります。
行動力
ノマドワーカーに必要な要素として行動力は欠かせません。仕事を取得するためにも、フットワークを軽くして、何でもまずは試してみる姿勢が大切になります。うまくいかなければ、抵抗なく修正して再チャレンジできるパワーが必要でしょう。
自己解決スキル
ノマドワーカーは、独立した環境で仕事をすることが多いため、うまくいかない事態になっても、すぐに人に相談できないことの方が多いのが一般的です。そこで必要になるのが、自分で課題を見つけたら分析し、解決法を見出すスキル。自分のことは自分で対処できる能力なので、自己成長に繋がります。
まとめ
ノマドワーカーになるためには、まず自分の適性を知り、自分に合った働き方を考えるところから始まります。その他、ネットワークを築いて、仕事の取得方法を確立するなど、さまざまな準備が必要です。ノマドワーカーはこれからの時代に求められる働き方のひとつ。まずは、自由な働き方を目指すための環境を整え、リサーチするところから踏み出してみてはいかがでしょうか。