給与がなかなか上がらず、物価も上がっていく一方。「このまま会社の給与だけに依存していて本当に大丈夫なの?」、そんな不安な気持ちになっている方は多いのではないでしょうか?
長い人生を幸せに生き抜くためにも、自分で自分の市場価値を上げていく必要があります。今回は本業にプラスして副業で収入を得ることのメリットについて考えてみましょう。
副業ブームはなぜ起きている?
調査機関「Job 総研」が行った「2023年副業・兼業の実態調査*」によると、男女336人のうち、76人(22.6%)が「現在副業をしている」と回答。「今後副業を始めたい」と回答したのは全体の85.5%で、副業をする人は右肩上がりに増え続けています。
なぜ、これほどまでに副業がブームになっているのでしょうか?
それには、次のような理由が考えられます。
誰でも簡単に始めやすい環境だから
クラウドソーシングなど、自分のスキルを発信して仕事を得られるサイトが増え、誰もが副業をしやすい時代になったことが挙げられます。周りで副業をしている人が増えたことで、副業自体が認知され、参入しやすくなっています。
給与が上がらないから
給与が上がらないのに、税金は上がる一方で手元にお金が残らないのが日本の現状です。 少子高齢化で労働人口が減少していることで税金が上がり、もらえる年金は減っていくため、副業を検討する人が増えたのです。
予期せぬ外的要因が経済に影響を与えるから
新型コロナウィルスの拡大や自然災害など、予期せぬことが起こる度に私たちは、経済的に大きな影響を受けることになります。不確実な時代だからこそ、もはや現状維持を考えている場合ではなく、経済的な備えが必要だと多くの人が気づき始めています。
心身ともに健康でいたいから
人生100年時代。経済的な豊かさばかりを目指すのでなく、心身共に健康でなければなりません。有難いことに今の日本は多様性を受け入れ、自分らしく生きやすい時代になりました。副業は自分らしさを追求し、自立した人生を送るための手段のひとつ。やりたいことを探し、それが本当に自分に向いているのか試しながら進めていくのがポイントです。
副業のメリットとは?
どんなに小さな金額であっても、本業以外の副収入を得るということは、その分だけ経済的にゆとりが生まれるということ。これこそ、副業の最大のメリットといえますが、その他にも副業をするべき理由はたくさんあります。
自分で考える力が身に着く
案件を獲得するため、どのようなプロセスを踏んだらよいのか、自ら考えるようになります。「プロフィールをどのように見せればよいか」「動画をどのように撮影し編集すればよいか」「どうすれば自分の存在を発見してもらえるか」「何をどのように売ったらよいのか」などを真剣に考え、試行錯誤することで得たスキルは、自分にとってかけがえのないものです。
本業に依存しないマインドが身に着く
会社に所属さえしていれば、自動的に毎月給料が振り込まれるのと異なり、副業は自ら考え、行動し、お金を生み出さなければなりません。今の会社に依存せず、何が起こっても身軽に動けるマインドを築けることは、先行きが不透明な時代、ストレス社会を生き抜くための武器になります。
ストレスを分散できる
複数の仕事を同時にすることで、意識やストレスが分散し、気持の切り替えができるようになります。一つのことに囚われなくなることで、本当に必要なことにフォーカスしやすくなります。
人生を楽しめる
副業は、自分の中でどこまでやればいいのか、コントロールしながら取り組むことができるため、より人生を楽しみながら仕事ができます。副業を通して、本業だけでは得られなかった新しい情報を得られ、様々なことを学ぶ機会が増えるでしょう。
今すぐ始めたい!とりかかりやすい副業とは?
会社員をしながら副業を始める場合、どのようなカテゴリーのものを選べばよいのでしょうか。副業としてとりかかりやすいものとして、次のようなものが挙げられます。
副業しやすいカテゴリー
コンサルティング:
対面のほか、メールでのやり取りも可能。自分の都合に合わせやすい。
ライティング・デザイン・イラスト制作・翻訳・プログラミング・動画制作・編集など:
クラウドソーシングを利用すれば案件を取りやすい。
講師・インストラクター:
オンラインを利用すれば全国から生徒が集まる。
ハンドメイド:
手作りが得意な方は挑戦したい!
せどり:
オークション・フリマ形式のプラットフォームが充実。初心者でも始めやすい。
副業するために準備をしよう
副業を始めるにあたり、まず、なぜ副業をしたいのか目的を書き出してみましょう。「収入を得たいから」「人脈を広げたいから」「スキルを上げたいから」「自分の市場価値を上げたいから」など、理由は人によって様々でしょう。目的を明確に定めることで、必要以上に稼ぐことにこだわって無理をしたり、目的から逸脱した方向に突っ走ることを防げます。
次に、自分が持っている知識や経験、スキル、資格、興味関心などを洗い出します。
副業を決める上でのポイントは、今まで関わったことのない分野よりも、自分の強みを活かせるものの方がとっつきやすく、効率がよいということ。
もちろん、新しいスキルを学んで副業にすることはできますが、スキルの習得までに時間やコストがかかり、稼働するのも遅れます。まずは本業に関連していることや、既に自分が持っている知識やスキル、経験を活かせるものから始めるのがおすすめです。
また、本業が疎かにならないように、タイムマネジメントを入念にし、副業に割ける時間を見積もっておくことも重要です。本業と副業のバランスを決めずに走り出すと、いつの間にかスケジュールがギュウギュウになり、本業も副業も中途半端になるリスクがあります。自分の適性を理解し、集中して働ける環境を整えることが重要です。
まとめ
副業人口は、今後ますます増えていくでしょう。本業と副業を両立するということは、それだけ働く時間が長くなり、休息の時間が減るということ。無理なスケジュールを組むとタスクが完了できなかったり、仕事の質が落ちたり、体調を崩して本業に支障が出てしまい収入減につながる可能性は否定できません。副業は本業とのバランスやスケジュール管理がとても重要です。副業を単なる収入源と捉えるのではなく、スキルを向上し、自分の市場価値を高める手段でもあることもお忘れなく。
*Job 総研 2023年副業・兼業の実態調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000013597.html