最近はWebメディアやクラウドソーシングサービスが増えたことで、「ライター」の仕事が浸透し、ライターを目指す人も増えてきました。ライターは、パソコンさえあれば、いつでもどこでも仕事ができるため、子育て中のママや本業を持っている会社員でも、空いている時間に取り組めます。実際、ライターとはどのような仕事なのか、どのようなスキルが求められるのか、具体的に解説します。
ライターにはたくさんの種類がある
「ライター」というと、漠然と文章のプロというイメージがあるかもしれませんが、実は様々な種類があります。さらにカテゴリーが分かれ、それによって、求められるスキルも知識も大きく異なるのです。ここでは、ライターを大きく「Web」「雑誌などの紙面」「広告」と大きく3つに分けて、それぞれの特徴について解説します。
1.Web
Webライターは、Webメディアやブログ、ニュースサイトなどに掲載する記事を執筆します。メディアのテーマに沿った記事やホームページの説明文などを制作するのですが、多くの場合、Googleの検索エンジンで上位表示されやすくする、「SEO」を意識したライティングが求められます。SEO対策としては、そのときのGoogleのアルゴリズムに応じて、あらかじめキーワードや文字数、構成案が設定されます。
同じWeb記事でも美容や健康、インテリア、グルメ、育児、エンターテイメントといった生活に寄り添った分野から、法律や医療、金融、不動産、IT、科学、農業、美術、といった専門性の高い分野もあります。専門記事はライター自身が一定以上の知識を有している必要があり、学生時代の専門分野や仕事での経験が求められることも多々あります。
企業の求人関係の記事では、経営者や従業員にインタビューをし、文字起こし(音声を文字に起こすこと)をしたうえで、記事としてまとめるため、インタビュイーから、魅力的な話を引き出すインタビュー力も必要です。
また、法律関係は弁護士、税金関係は税理士、医療関係は医師などの監修が必要になることがあり、監修者のアテンドややり取りもライターに任せられることがあります。その際は、最低限のビジネスマナーやコミュニケーション能力が問われます。
ライティングだけでなく、画像の選定やWordPressなどのCMSシステムに直接入稿することがあります。また、取材現場の撮影を依頼されることもあり、ライティングだけでなく、様々なスキルを持っていたほうがよいでしょう。
2.雑誌等の紙面
雑誌やフリーペーパー、パンフレット、マニュアルなどのテキストをライティングする仕事です。Webと異なり、SEOの知識は不要ですが、限られた枠や文字数のなかで分かりやすい文章を書く必要があります。また、Webよりも文章力が求められる傾向があります。
ビジネス書などの出版物の執筆を著者に代わって執筆する場合、目次案を作成し(もしくは提供していただき)、それをベースに著者にインタビューをします。書籍の執筆は数万文字もの文章を作成しないといけないため、根気と文章の構成力、読者をひきつける表現力など、様々なスキルが求められます。
3.広告
広告の種類は幅広く、Web上のLP(ランディングページ)、ECサイトの商品説明文、POPのコピー、動画の字幕やナレーション、YouTubeでの商品広告用のシナリオ、アフィリエイト用の広告記事、プレスリリース、チラシ制作、ステップメール制作などがあります。
広告は商品の訴求を理解し、コンバージョン(商品・サービスの購入)をゴールにする文章力と構成力が必要です。広告はデザインとの関連性が高いため、デザイナーとチームになってプロジェクトを進めることがあり、ディレクターの役割を担うこともあります。
また、化粧品や健康食品などの広告には薬機法や健康増進法、景品表示法などが絡むため、広告に関するガイドラインや法律に抵触しない表現の知識も必要です。
良いライターになるためには?
では、良いライターになるためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
ライターといっても、様々な分野があることを説明しましたが、どの分野のライターにも必要なのが高い文章力です。
文章力
日本語の文法が正しいことは言うまでもありませんが、「語尾」のまとめ方や効果的な体言止めの使用、豊富な語彙力も必要です。また、記事では「商標」を登録している商品名を記載しないように気をつける必要があります。
日本語のスキルを磨くためには、できるだけ良い文章を読み、様々な表現力をインプットすることが近道です。ビジネス書でも良いのですが、小説やエッセイ、など、文章力のある著者が書いた文章を読むことをおすすめします。広告コピーについては、センスのよい表現が豊富な雑誌を読む習慣をつけるとよいでしょう。
リサーチ力
文章力と同様に重要なのが、リサーチ力です。ライターはすべてのことを知っているわけではありません。知識のない情報は書籍やウェブなどの情報をリサーチする時間が欠かせません。リサーチで難しいのが、どのソースを情報源にするかです。Webには何年も前の古い情報や間違っているコンテンツも多々あります。可能な限り最新情報を取りに行き、正しい情報と間違っている情報を見極める力が必要です。医療や法律などのコンテンツの場合は、ソースの内容を誤解のないように読み取る読解力も重要です。
まとめ
ライターは、要求されたテーマや条件に沿って、全体の骨子(構成)を作成し、納期に間に合うように、精度の高い文章を作成しなければなりません。手が空いている時間に取り組めるものではありますが、これを本業とするときは、差別化できる専門性や経験、知識やライティング力、タイムマネジメント能力が必要です。そういったスキルを身に着けることで、クライアントに信頼され、多くの仕事を受注できるようになります。文章力に自信のある方は、ぜひ挑戦してみてください。