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人手不足解消の決め手は外国人労働者! ただし近年の円安傾向はどう影響する?
2024.7.22 ワークスタイル

人手不足解消の決め手は外国人労働者!ただし近年の円安傾向はどう影響する?

近年、コンビニエンスストアやファストフードなどでは、よく外国人労働者の姿を見かけるようになりました。少子高齢化が進む日本では年々人手不足が深刻となっており、今や外国人の手を借りることは普通のことになりつつあります。

一方で、やはり日々深刻になっているのが円安。外国の通貨に対して日本円が安くなっているわけですが、この状況は外国人労働者にどのような影響を及ぼすのでしょうか?今回は増加傾向にある外国人労働者の現状と、円安との関係について解説していきます。

増加傾向の外国人労働者

冒頭でも書きましたが、近年外国人労働者はサービス業や製造業を中心に増加傾向にあります。その数は2022年で182.3万人、日本における労働人口の2.7%を占めるまでになっています。外国人労働者はここ10年で約4倍に増えており、今後もサービス業、宿泊・飲食サービス業、製造業を中心に増加していくものと考えられています。

もちろんこの背景には少子高齢化を起因とする日本の労働力不足(人手不足)があり、日本の企業や店舗が求めるからこそ彼らは日本で働いているのです。企業にとって彼らは安くて良質な労働力であり、働く側にとって日本は母国に送金もできる高い賃金の国であったのです。

深刻化する労働力不足

日本の労働力不足は、年々深刻さを増しています。ある銀行系シンクタンクがまとめた調査によれば、2010年に約30万人だった未充足求人数(求人に対して足りない労働者の数)は2019年に約138万人まで増加し、コロナでいったん充足傾向となった2020年、2021年を経て、2022年には再び約130万人まで増加しています。

またこの数字を業種別に見ると、未充足求人数が最も多いのは医療・福祉関係で、次に小売りと宿泊・飲食関係、建設・製造関係と続きます。

つまり私たちが外国人労働者を見かける業種は、日本における労働者不足の業種そのものであり、これらの業種は外国人労働者なしには成り立たなくなっているのです。

外国人労働者が日本に来る理由

一方で外国人労働者はなぜ日本に働きに来るのでしょうか?それには以下のような理由があると言われています。

経済的理由

一番の理由は、経済的な理由です。アジアパシフィックからの外国人労働者が多い理由は、同じ労働をしても日本の方が母国よりも高い賃金が稼げることにあります。

技術習得(日本語の習得)

これには日本政府による就労支援や、企業のグローバル化も含まれています。製造業や農業、IT分野で日本の技術を学び、母国に帰って高スキルの人材として活躍するためです。

日本文化への興味

日本の文化や生活様式に興味があり、働きながら日本語を学んだり移住しながら日本文化を満喫したりする外国人も多く来日しています。これらの理由で日本に在留する外国人は、アジアパシフィックからだけではなく、EUやアメリカからも多く来ています。

ただし近年、円安の影響で経済的な理由で来日する外国人労働者には変化が現れています。

進む円安、お得ではなくなる日本

ご存じのように、現在の円安ドル高は日米の金利差がその要因と言われています。ただし円が弱いのはドルに対してだけでなく、アジアパシフィックの通貨に対しても円安の傾向にあります。

これには日本の経済政策(低金利政策)の影響はもちろん、アジアパシフィック各国が著しく経済成長していることが影響しています。既に日本の経済成長率は、アジアの中では下から数えた方が早い順位となっているのです。

このような状況の中、外国人労働者が日本に来る意味に変化が出はじめています。日本に来る一番の理由であった「経済的な理由」が、円安によって意味の無いものになりつつあるのです。

実際あるアンケートによると、現在日本で働いている外国人労働者に日本に居たくない理由を尋ねると「円安」が一番多かったそうです。

まとめ

人手不足と外国人労働者の確保。これらの問題を解決するには、少子化対策と経済発展策が必須です。このまま円安が定着してしまうようなことがあると、外国人労働者はどんどん日本から離れ、ますます人手不足が深刻になります。労働力の不足は経済発展を妨げ、日本は負のスパイラルに陥ってしまうことでしょう。

ただし外国人労働者は、地方の企業には興味を示しています。生活費が安いことや競争が少ない、生活環境が静かで落ち着いていることがその理由ですが、地方企業にとっても外国人労働者を雇用することにはメリットがあります。

「多言語に対応できるようになる」、「助成金を利用できる」、「海外進出に役立つ」ことなどです。双方のメリットが合致する地方企業と外国人労働者。積極的に採用に動いてみるとよいかもしれません。