将来のキャリアパスのためにも、留学は有効な手段のひとつです。
グローバル化が進む中、留学に興味を持ち始めた方や、すでに留学を控えて準備を進めている方も多いのではないでしょうか。ただの観光とは異なり、留学では現地の人々とスムーズにコミュニケーションを取るための「実践的な語学力」が求められます。この記事では、実際に留学を経験した筆者が、現地で必要となる語学力を高めるための具体的な勉強法を紹介します。
語学力で多くの留学生がつまずく理由とは?
留学を経験した多くの学生が口にする後悔の一つは、「留学前にもっと語学力を鍛えておけばよかった」というものです。留学を始めてから数か月間、次のような壁にぶつかることがあります。「周りが何を話しているのか理解できず、焦りや孤独感にさいなまれた」「会話のスピードについていけず、自分の考えを伝えられなかった」など。
ただでさえ日本とは異なる環境に身を置くことでストレスがかかる留学。留学前にできる限り語学力を高めておくことが、スムーズなスタートを切り、限られた期間を充実させるために重要なのです。
実践的な語学力を身につけるための勉強法
実践的な語学力を身につけるためには、どうしたらよいのか。
効果的な方法をご紹介します。
リアルな会話をたくさん聞く
留学中に必要な語学スキルとして真っ先に思い浮かぶのは、スピーキング力かもしれません。でも、それと同等かそれ以上に求められるのがリスニング力です。そもそも、相手の話す内容が聞き取れなければ、会話や議論が成り立ちません。
一般的なリスニング教材は、きれいで正確な発音を持つネイティブスピーカーによるものが多いのですが、留学先では、自分と同じように留学している非ネイティブスピーカーと話すこともしばしば。ネイティブでも、住む地域によって発音やアクセントなどが異なり、なかなか聞き取るのが難しいのです。英語であればまだいいのですが、例えば、ドイツ語の場合、アメリカ人が話すとまるで英語のように聞こえるし、イタリア人が話すとまるでイタリア語のように聞こえる…なんてことはよくありました。
そこで、YouTubeやAmazonPrime、Netflixなどの動画サイトを活用して、現実に近い会話をたくさん聞き、耳を慣らしておくことをおすすめします。一昔前は英語でさえ字幕がつく動画は少なかったのですが、今は様々な言語の字幕をつけられるようになり、語学の勉強が非常にやりやすくなりました。ディクテーション(聞いた内容を文字に起こす)も、リスニング強化に役立ちます。
“ひとりごと”でアウトプットする
今は、多彩なオンライン会話サービスが充実しており、身近に英語を話す相手がいなくても、スピーキング練習ができます。おすすめは、「ひとりごと」を活用した練習方法。頭の中で感じたことや考えていることを、すべて英語で表現し口に出してみるのです。この方法では、自分がよく使う表現やトピックにフォーカスして練習をすることができます。
どのように表現するのか分からないときは、その場で調べることができますし、神のようなChatGPTを活用すれば、効率的に会話練習が可能で、スピーキング力を高めるのに役立ちます。
話すためにそもそもの知識をつけておく
海外では、日常会話で日本の文化や政治、歴史に関する話題が出てくることが多々あります。それに関して、自分の意見を求められたとき、あなたはスムーズに答える自信がありますか?
海外では、日本に興味を持っている人が多く、さまざまなトピックを持ちだされることがあります。その時にきちんと説明できる知識がなければ、会話が続かなくなりますよね。話しかけているのに沈黙されてしまうと、いい印象はありません。その時になって慌てないように、留学前、そして留学中も、日本の文化や歴史、政治について調べ、ひとつひとつに自分の意見を持つように心がけておくことをおすすめします。
専門的な英語にも触れておく
留学先では、日常会話に加え、学問やニュース、論文に触れる機会も多くなります。専門用語やスラング、分からない文法などに出会った際には、積極的に調べる習慣をつけると、語学力の向上に役立ちます。
SNSを利用してボキャブラリーをとにかく増やしていくのもいいでしょう。好きな実業家や研究者の投稿は絶妙に専門用語がちりばめられていながらも、プライベートの内容もあり、楽しく読めるので、個人的には気に入ってよく読んでいます。
まとめ
語学力が高いに越したことはありません。異文化理解が深まることで、新しい視点や価値観を得ることができ、グローバル企業でのキャリアや海外での仕事も視野に入るかもしれません。語学力は豊かな人生を築くための鍵になります。まずは、留学という貴重な機会を楽しく無駄なく過ごすために、今からできることに取り組んでいきましょう。