近年、フリーランスやダブルワークなど働き方の多様化が進展する中で、スキマ時間に働く「スポットワーカー」が注目を集めています。自分が都合のいい時間に働けるため、忙しい学生や主婦層はもちろん、副業を探している社会人からも人気です。
スポットワークは多くの人々にとって魅力的な選択肢ですが、その一方でリスクもあります。今回は、スポットワーカーとして働くメリット·デメリットを解説します。
スポットワーカーとは?
スポットワーカーとは、企業や店舗などで英語の「Spot(臨時の、その場限りの)」と「Work(働く人)」を組み合わせた造語です。1つの事業所と長期的な雇用契約を結ばず、数時間だけ、1日だけ、1週間だけなど、単発的に短時間·短期間の雇用で働く人を指します。単発·短期のアルバイトやパートと似ていますが、履歴書や面接が不要で、働きたい時に働ける気軽さが特徴です。
スポットワーカーの仕事内容
スポットワーカーの仕事内容には、以下のようなものがあります。
- アプリケーションの開発やライティング、翻訳などの専門性の高い仕事
- イベントや飲食店のスタッフ
- フードデリバリー
- 飲食店での接客業務
- 倉庫内の商品管理
- イベント会場での設営・撤去作業
- コンビニエンスストアの店舗スタッフ
- 引っ越し業者の作業補助
- 農家の収穫作業
スポットワーカーとギグワーカーの違い
スポットワーカーと似た用語として、ギグワーカーがあります。どちらも一時的に業務に従事する労働者である点は共通していますが、スポットワーカーは企業と直接雇用契約を締結する働き方です。
一方、ギグワーカーの場合は業務委託契約が一般的で、企業と雇用契約を結びません。特定の企業に属していないので、個人事業主とみなされます。
スポットワーカーとして働くメリット
1.スキマ時間を有効活用できる
スポットワーカーの最大のメリットは、スキマ時間を有効活用して気軽に働けることです。学業や家事、育児などで忙しい人でも、好きな時間や場所で働いて、短時間·短期間で収入を得られます。会社員やフリーランスの副業や兼業としても行うことができます。
2.人間関係のストレスが少ない
組織に属する時間が短いため、人間関係のしがらみやトラブルに巻き込まれることは少ないでしょう。誰かの働く以上、多少のストレスは発生しますが、比較的気楽なはずです。
3.いろいろな仕事を経験できる
スポットワークは、面接や履歴書の提出なしで、簡単な登録さえ済ませれば、すぐに仕事を始められます。資格や経験を問われないため、未経験者でも気になる分野に挑戦しやすいでしょう。いろいろな経験を積むことで、自分の適性や向き·不向きを確認でき、キャリアアップにつなげることも可能です。
スポットワーカーとして働くデメリット
1.収入が不安定になる
スポットワーカーは、基本的に短期の仕事やプロジェクトに従事するため、収入が安定しにくいのがデメリットです。スケジュールや条件に合う仕事がなく、働きたくても働けないという状況に陥ることも考えられるでしょう。安定した収入を得るためには、仕事量やスケジュール管理、ギャラの交渉などの自己管理が求められます。
2.雇用保険が発生しない
短時間·短期間の勤務となるスポットワーカーは、基本的に雇用保険や社会保険の対象外となります。雇用保険に加入していなければ、失業手当を受け取ることができません。ただし、労災保険は適用対象となるため、業務中や通勤中に病気やケガをした場合は保険給付などを受けられます。
まとめ
スポットワーカーは、単発·短期·短時間での勤務が可能な働き方で、時間や場所に制約されることなく、自分の都合に合わせて柔軟に働ける点が大きな魅力です。その反面、長期的な雇用が保証されておらず、安定性に欠けるといったデメリットがあります。スポットワーカーとして働く場合、そのメリットとデメリットを事前に理解しておくことが重要です。